2009年01月13日

雪騒動(3)

ソリ遊びをしながらふっと見上げた二人の視線が中空で留まった。
背筋をゾクリと寒いものが走る。
同じものを見ているのだと瞬間に判った。

敷地内にはまだ150本ほど、伐採していない杉がある。
ピーセンピース工法で納屋&書庫&ホビールームを作る際に、利用しようと
考えている。
伐採してしまうと畑や果樹園作りが楽になるのだが、作業が追いつかないままに
伐採しても杉丸太本体を傷めてしまうだけなので、生えたままで置いてあるのだが...。
その杉たちの南面に張り出した枝に雪がたまり、大きくしなっているではないか。
正月休暇の際のようにサラサラの雪なら問題はないのだが、今回のように湿った
重い雪が降り、しかも気温が低いので融けないときては、風が少々吹いた
ぐらいでは枝に降り積もったままで落ちもしない。
kaitaku09-01-16a.jpg
カケヤで幹を揺らしてみたがまだこの通り。

気象予報ではしばらくこの天候が続くという。
このまま降り積もれば、倒れる先はログ。
危険な木は4本あり、どれがログを直撃するか検討もつかない。
さてどうするか。
暫時思案の後に、「伐ろうか...」「エ〜ッ!!」
ごく普通の状態のときでさえ、伐採には危険が伴う。
それを今回のような悪条件の元では、いったい何が起こるか予測もできない。
雪が再び激しく舞い出したのを見てkiiさんが決断する。
「留守の間に何があるか判らない。伐ろう!!」
準備して伐採するまでの、それから二時間の画像はない。


雪の加重でどのような倒れ方をするか予測できないから、チェーンソ−を使うkiiさんも、
手回しウインチを回し続ける私も、声を掛け合いながら必死だった。
kaitaku09-01-16b.jpg

20メートルを超える杉がドドゥッと倒れる様は壮観だが、こんな状況の下では
それを見届けている余裕もない。
kaitaku09-01-16c.jpg

ニセアカシアの木を犠牲にするよと言われたけれど、雪の重みでやはりセオリー通り
にはいかず、少しずれてその横の白梅「白加賀」を直撃した。
kaitaku09-01-16d.jpg

kaitaku09-01-16f.jpg
移植後ようやく元気を取り戻し、昨年からまた実りだした白加賀だったが、今年は
たくさんの花芽を付けて開花を待っていた。
「ごめんね...」「白加賀にはすまないことをしたね...」
愛しさに思わず木肌を擦る二人だった。

「お互い、怪我がなくてよかった」「これで一安心だね」
kaitaku09-01-16e.jpg
苦楽を共にしてきた手回しウインチとチェーンソ−。

開拓の当初三年間はこの道具で伐採し、ユンボの卜伝君で根を起こす日々が続いた。
たくさんの杉を伐採する辛くて長い日々を、この道具たちと共に乗り越えてきたのだった。
夫婦でもない、友人でもない、同志としてのお互いを感じ始めたのはその頃だったろうか...。
緊急処理の無事を喜びながら、そんなことをふっと思い出していた。

帰路、雪の重みに耐えられず倒れている杉を何本か目にした。
「伐ってよかったね」とホッと胸を撫で下ろし、安堵したことだった。

開拓史へ
posted by けい at 17:10| 奈良 ☀| Comment(12) | TrackBack(0) | 田舎暮らし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
山で育ちましたから
伐採風景は良く見ていました。
だから逆にそんなに簡単に杉の木を
切るの? とびっくりしました。
でもお二人ともなれていたのですね。
さすがぁ だった訳です。
ほっとしました。
白加賀は割れたところを切ってしまえば
きっと再生してくれますよ。
お二人の活躍を見ていたのですから
きっと頑張ってくれます。
Posted by ねねまぁにゃ at 2009年01月13日 21:30
こんばんは
お見事といったらお2人に叱られてしまいますが、こちらの積雪が追い越されてしまいました。こちらでも湿雪が降る暖かい時は、着雪して木が折れてしまえことがありますが、本当に大変な雪害ですね。
気を付けて作業してください。
Posted by 南 常雄 at 2009年01月13日 23:22
うは〜〜
大変でしたね。
ログハウスって、立ち木を切るところから始めてるんだあ!!
材木は買ってきたのかと思ってたよ。
雪の重みで、ホントにこんな立派な木が折れるんですね。
お二人ともけががなくて、本当によかったです。
梅はこの際、ガマンしてもらいましょう。
Posted by ann at 2009年01月14日 07:01
お早うございます。
今朝は最高に寒いです。
朝起きると居間が3度でした。
軒に吊るした温度計がマイナス4度です。でも雪はありません。
霜柱?もう見に行くゆうきがありません。
ほん近くに積雪34cmの世界があるなんて・・・・・

大きな木を伐採するのって凄く難しいのえはないですか。
倒す方向など少し間違えると
「かかり木」になってしまうのではないですか。
ブログのharunoさんの御主人が大きな杉を伐採されて
上手く倒れず横の木に引っ掛かって大騒動をされていました。
けいさん家は難なく切り倒しておられますね
凄い技術がいるのはとおもいますが。
白加賀の木はお気の毒・・・・でも又脇がら芽が出て復活してくれますよ。きっと。
私も白加賀をうえています。
実が大きくていい梅が取れますね。
頑張れ白加賀さん!!!です。
Posted by sakko at 2009年01月14日 07:56
☆ねねまぁにゃさん、おはようございます。

雪って楽しいですけど、反面大変ですね!

伐採で大怪我をされた話を聞きますから、やはり恐いです。
いつも気を引き締めながらなのですが、平常でもそれなのに、
雪の斜面はほんとうに用心しながらでした。

お互いに顔が引き攣っていたようですよ。(笑)

白加賀、そうですね。
梅は強いから大丈夫だと思います。
今年の梅の収穫が見込めなくなるのは少し残念ですが。
Posted by けい at 2009年01月14日 08:49
☆南さん、おはようございます。

積雪、今回はそちらのほうが少ないのでしょうか!?
そんなことがあります?
北海道に雪だるまさんがたくさん付いていましたから、
降るかもですよ。

湿雪は始末が悪いですね。
日が照って融ければどうということはないのですが、
その気配もないので已む無く伐採になりました。

一瞬ウインチを巻くのが遅れて、倒れる木の力で重い
ウインチごと番線が引きちぎられて飛び、ヒヤッと
する一幕もあり...。
雪の中の作業は神経を使いますね。

周囲全体がもう冷凍庫状態。
せめて冷蔵庫で納まってくれていたらいいのですが。
庭の木々の被害もこれから出てくるのでしょうね。
Posted by けい at 2009年01月14日 09:03
☆annさん、おはようございます。

今回は冷や汗かきっぱなしよ。
伐採はいつも神経を使うのですが、雪の中では初体験だったから、
ひど〜く疲れてしまい、二人ともぐったりでした。

そうそう、うちのログは正真正銘の地場の材を使っているの。
ロフトの天井板やLKの外壁の板も、その丸太から簡易製材機で
作り出している...。
丸太はもうほぼ50年生だから太いですよ。

雪の重みも太い木々をなぎ倒す風も、ほんとうに恐いです。
台風には恐怖症なんですが、目の当たりにして雪の恐さも
再確認しました。
Posted by けい at 2009年01月14日 09:15
☆sakkoさん、おはようございます。

sakkoさんのほうは今回も雪がなかったのですね。
野迫川からの帰路、車の屋根にどっさり積んでいる雪を
吃驚して眺めている人が多かったです。(笑)
気候の違いは一つ手前の村ともかなり...。
野迫川は特異な地域なんでしょうね。

伐採作業は、慣れているようでもいつも神経を使います。
倒す方向はセオリーどおりでも、枝の張り具合などで微妙にずれてしまい、
今回も白加賀さんがトリプルで被害に遭いました。
可哀想でしたが、ログを助けてくれたのだと思うことにしました。

「かかり木」よくご存知ですね!!
最初の一本がそのかかり木になり、それを倒す際に、番線を引きちぎって
重い手回しウインチが飛び、あわやという場面がありました。
今思い出してもヒヤッとします。

sakkoさんも白加賀を植えておられるのですね。
手ごろな大きさの実で、美味しい梅ですよね。
雪の中でも、木々の蕾は生き生きとして春を待っているのだと、
可愛いなぁと思いました。
そうそう、うちはね梅と桜と桃が同時に開花するんですよ。
野迫川は遅〜い春です。
Posted by けい at 2009年01月14日 09:37
山小屋までのスロープは、格好のソリ場ですね。
童心に返ったkiiさんが可愛い。
私も、ソリ乗りたい♪
ゲレンデで、ちょこっと乗ったことあるくらいです。

楽しげな光景から一転、大変でしたね(汗)
でもご無事で何よりです。
これで留守してても一安心ですね。

フランスでも異常気象のせいか竜巻や落雷が頻繁に発生するようになって、隣の20メートル以上の大木が塀を越えて倒れたことがあります。
庭が広かったせいで、家は無傷でしたが、あの木が直撃していたらと、真っ青になりました。
近所でもバンバン倒れて、高い木はなるべく切るようにとお達しが来て、フランスの家の大木も大家さんが人を雇って切らせていました。
あ、あのくるみの大木は大木に入らないようです(汗)

日本も今まで通りの気候じゃ済まないようだし、家の近くだけは綺麗にしておくにこしたことありませんね。

ログハウスの木って生木を使うのですか?
それとも、2,3年寝かせて乾かすのでしょうか?

白梅は開花前に残念でした。
でも、植物は強いから、また盛り返してくれるでしょうね。



Posted by モモカナール at 2009年01月14日 16:30
たいへんでしたね。。
お怪我がなくて何よりでした。
さすが、と言っては不謹慎かもしれませんが、
さすがkiiさん、けいさんですね。
20メートルの杉というのはかなりなものだと思います。

私は先日、10メートルに満たない楢を
いつもお世話になっているメーカーの人に伐採してもらいました。
伐採、というのが初めてだったので、
模範演技の意味もあってお願いしました。
次からは、伐採も自分でやるつもりです。
(でも20メートル級の木はありませんが。。(^^ゞ)
Posted by 杉丸 at 2009年01月14日 23:17
☆モモカナールさん、こんばんは。

伐採した杉は、納屋用に置いてあったものですが、今伐るのはかなり
痛手です。
でもログを直撃されては、そんなことも言っていられませんよね。
高野山で杉の大木が倒れ、交通止めになっているとのニュースが
先ほど流れたそうな...。
私はそのニュースはまだ見ても聞いてもいませんが、伐採してきて
よかったと胸を撫で下ろしています。

20メートル以上の大木が対象なら、うちの杉は全部伐採しなければ
なりませんね。
いずれそうしなければならないのですが、なかなか追いつきません。

あのくるみの木は大木じゃないの!?
すごい木でしたけど...。
思い出して、ウ〜ン、あのくるみ羨ましかったわ!!

ソリ遊びって楽しいですよね。
ゆるやかでいいスロープでしょ。
急なスロープをお好みの方は、1キロほど離れた所にいくらでも...。(笑)

ログハウスの木、マシンカットのものは乾燥しているのでしょうが、
うちは葉枯らしにするぐらいで使っています。
大工さんイワク、生に近い状態かな。
したがってセトリングという現象が起きます。
乾燥して縮まる現象。
一本の丸太が1センチ縮まれば、10本なら10cmの縮みが生じると
いうわけです。
ですから開口部や階段などにはそれなりの計算が必要です。
その代わり、びっちり締まったログは隙間風も入らない...。
それに、ログは夏涼しく冬暖かい特性があります。
無垢の木はゆっくりと温もりを放出してくれるから、とっても快適ですよ。

梅の木は花も実も好きでたくさん植え込んでいますが、この木はかなり
古いものだったので、ずたずたになってかなり悲しかったです。
でも、白加賀の強さに期待しています。
Posted by けい at 2009年01月15日 05:13
☆杉丸さん、おはようございます。

雪の斜面での作業は神経が磨り減りますね。
もう、ゴメンだなぁ...。
50年生の杉は元口も結構太くなり、重量感はかなりあるので、
恐さが先に立ちます。
今伐採するのはかなり痛いですが、ログに倒れたらオジャン
ですものね。

伐採、10メートルぐらいですと快感もあるかも...。
何が起こるか予測できないし、木が跳ねたりして、怪我をした
話も聞きますから、気をつけてくださいね。

模範演技もしてくださるのですから、ほんとうに親切ですね。
Posted by けい at 2009年01月15日 07:07
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