過去形にならないのが情けないが、物持ちよく、ずっと風邪と付き合っている。
咳だけがなかなか引かない。
咳き込むのがつらくて浅い呼吸しかできなくなり、薬が変わるたびに、咳以外
でも少しおかしくなってきた。
kiiさんお薦めの病院に行くのが少し遠くで億劫だと、安易に近場で済ませた
のも悪かった。
「前にも懲りてるはずなのに呆れる!」と散々な言われようである。
藪にもなれない筍か、筍以前のスズメ医者かと内心毒づいてみたりする。
(筍やスズメには、まったく遺恨はない。ましてや医療機関関係者様には
あるわけがございません。親切で腕がいい沢山の医者に紛れ込んで、時々
は居るのだ、こういう評判の持ち主も。)
日頃薬と縁のない生活をしていて、少々体調が悪くても自然の薬草、昔から
の民間療法で治してきたから、あれだけ薬を飲んだら調子が狂うのも仕方が
無いのかなとは思う。
で、私の今の薬はノンシュガーのかりん酒と大根、生姜、梅干にネギ。

野迫川から持ち帰って飲み続けているかりん酒のお陰か、日によっての多少
はあるが、少しずつ咳が収まってきた。
このノンシュガーの花梨酒、これが困ったことにじつに美味しい!!
昨年の花梨は豊作だったが、町の家に持ち帰るのを忘れてしまった。
町で熟成させて漬けたらよかったのだが、漬け込み用のリカーを数本携えて
山入りした年末には、寒さですっかり傷んでいた。
今や残り少なくなった花梨酒を見やりながら、心細い限りである。
今年はリカー10本分ぐらいは漬けたいものだが、でも大概、豊作の翌年は
不作になるのだ。
体調を取り戻すために最近よく作るもの...。
きんぴらごぼう、ひじきの炊いたん、フキと揚げの炊いたん、ホウレンソウ
の胡麻合えなど、体が欲しているものと五分づきご飯。
他にはいい出汁を取り、とろ昆布と卵にたっぷりのネギという簡単お澄まし。

働き手には、魚の焼き物などもつけるが、私は昔のお惣菜的なものばかり
食している。
栄養価が減少或いは変化してしまったとはいうものの、できるだけ野菜主体
の食事を心がけて、体調の回復に努めることにしよう。
そう決意したものの、カドミウム汚染に関するニュースを読んで愕然とした。
カドミウムといえば、イタイイタイ病の因になったものである。
米作には安全基準があったが、畑作物には今までなかったのだとか。
国際基準を超える濃度が検出された作物もあるそうで、苦い野菜、不味い
野菜というのも、そこに関連性があるのだろうか。
カドミウムは自然界にも微量はあると聞いていたが、土壌の汚染を引き
起こ
しているものは精錬工場などの他にも、カドミウム含有のリン鉱石を使用
した肥料も挙げられている。
「畑作物は汚染対策対象外」のニュースの翌日、慌てたように追いかけて
「環境省一転・基準再検討」の記事が載った。
見えないものの恐さ、蓄積していつか大きなツケを次世代、次々世代に残す
ことの恐さを考えると、この先絶対に目を離せない事柄のひとつだと思う。